正しい管理会社の選び方

管理会社

管理会社の種類

賃貸住宅の管理会社は大きく分けて3つに分類されます。

1.建築会社または建築会社のグループ会社が運営する管理会社
2.賃貸仲介会社(ミニミニ・アパマン・エイブル・ニッショーなど)が運営する管理会社
3.賃貸管理専門会社

この3つについて詳しく解説していきます。

1.建築会社または建築会社のグループ会社が運営する管理会社

有名な会社ですと、大東建託・東建コーポレーション・大和ハウス・積水ハウスなどです。

一括借り上げまたは家賃(空室)保証セットをベースに賃貸住宅の建築を提案している会社です。

基本的には、建築から管理まで一体になっているため、別の建築会社で建てて管理だけをお願いするということはできません。

自社で仲介部門を持っている会社もありますが、基本的にはミニミニ・アパマン・エイブル・ニッショーなどに入居者募集をしてもらっている会社がほとんどです。

20年や30年の家賃保証等をPRしている会社も多くありますが、基本的には2年~5年ごとに保証家賃の見直しや管理会社の求める修繕工事(大規模修繕工事等)を行うことが家賃保証継続の条件になっている場合もありますので注意が必要です。

特に、管理部門より建築部門の方が力関係で上の場合(ほとんどの会社がそうです)は、建築の受注をとるために無理した家賃設定をしてくることがあり、この場合早い段階で保証家賃の値下げ交渉等があり事業計画全体が成り立たなくなってしまいます。

2.賃貸仲介会社が運営する管理会社

有名な会社ですと、ミニミニ・アパマン・エイブル・ニッショーなどがあります。

基本的には仲介(入居者付け)をメインに展開し、信頼関係のできた大家様から管理委託を受け管理と仲介を一括して受けています。

仲介がメインの会社ですので、管理している物件に関しては基本的には他の仲介会社に仲介依頼するケースは少なく自社での客付け(仲介)をメインにしていますので、もしこのパターンでの管理委託を検討されるようでしたらその地域で一番仲介能力(客付け力)がある会社を選ぶことが大切です。

あとは、管理部門より仲介部門の方が力関係で上の場合(ほとんどの会社がそうです)は、どうしても仲介会社の意思や、客付けのしやすさが優先されてしまうため家賃交渉などが積極的に行われる傾向があり、修繕工事等もどちらかというと入居者(契約者)寄りでの管理になってしまっている会社も多くあり、大家様の事業計画全体が成り立たなくなる場合がありますので注意が必要です。

3.賃貸管理専門会社

この管理形態の会社は、大手は少なくどちらかというと地域密着型の不動産会社が多いです。

基本的には、大家様との信頼関係を重視して管理内容に力を入れている会社です。

ただ、ひと言で不動産会社といっても賃貸に関しての知識をしっかりと持っている会社は少ないため、しっかりとした知識を持っているかや実績を確認して賃貸管理依頼をする必要があります。

また、普通の不動産会社では客付け能力がなく、入居者募集(仲介)をミニミニ・アパマン・エイブル・ニッショーなどの大手仲介会社に頼むことになりますので、その不動産会社が大手仲介会社との付き合いが上手か下手かによって大きく入居率が変わってきます。

管理会社種類のまとめ

管理会社には、大きく分けて3つあることを説明させていただきました。

それぞれ3つとも特徴がありそのエリアや物件、賃貸事業の計画に沿って管理会社の選定をしていかないとせっかくの収益物件が思ったように収益を生まなかったり、本来大家様が得るべき利益が管理会社に流れてしまったりします。

特に中古物件で、

・今は自主管理しているが、今後管理会社に委託を考えられている方
・現在管理会社に委託しているが、管理会社の変更を考えられている方
・新築時に借り上げや家賃保証で管理をしてもらっているが、保証家賃の減額等を求められ管理会社の変更を検討されている方

などは、2の賃貸仲介会社が運営する管理会社か3の賃貸管理専門会社を検討されるかと思いますが、管理料やその会社の管理内容だけでなく実際に管理をするスタッフの能力や考え方によっても大きく管理内容(大家様負担)が変わってきますので、いろいろな視点から管理会社の選定を行うことが必要です。

押さえておきたい賃貸管理の3大ポイント

賃貸管理の3大ポイントは、

1.入居の確保
・入居率の確保
・家賃の維持

2.入居中のトラブル
・家賃滞納
・入居中の修繕

3.退去時のトラブル

です。

この3つのうち、一番大切なのは入居率(客付け能力)です。入居者がいなければ家賃滞納や入居時の修繕・退去時トラブルも起きません。

このことを念頭に正しい管理会社選びをしていきましょう。

1.入居の確保

賃貸経営をする中で一番大切なことです。

当たり前のことですが、賃貸経営は入居者がいて成り立つものです。そのことをしっかりと理解した管理会社に管理委託することが一番大切なことだと思います。

入居率の確保

入居率の確保は賃貸経営する中で一番大切なことです。

入居者がいなければ収益が上がらないだけでなく、せっかくリフォームしたのに部屋はだんだん汚れていきますし傷んでいきます。

空室が増えれば増えるほど、物件探しのお客様に紹介しても、こんなに空室があるということは何か問題がある物件じゃないかと変に勘繰られ決まりにくくなってしまいます。

現在、賃貸住宅は基本的に供給過多時代です。それでも毎年多くの賃貸住宅が建築されています。半分公営であるURも膨大な広告費をかけてテレビCMで敷金・礼金・仲介手数料0円なんていう広告をしています(完全民業圧迫ですよね)

そんな中、自己物件の入居率を維持することは非常に大変な時代です。

大手賃貸仲介会社の営業社員の話では、物件が少なかった昔とは違い、現在では紹介できる物件がありすぎて物件自体の良し悪しよりも、物件の大家様や管理会社との付き合いで空室を埋めたいと思う物件しか紹介しなくなっていると聞きます。

以前は、自社の管理物件を中心に決めていた大手仲介会社も管理物件自体がダブりだし、管理物件だからと言って必ずしも優先的に決まっているとは言えないようです。

エリアによって違いはあると思いますが、大手仲介会社系列の管理会社に管理委託した場合、他社に仲介依頼をしないと聞きますのでいくら管理委託をしたとしても、その仲介会社の営業社員がその物件に関心を持ってくれなければ空室のままということです。

仲介会社の営業社員も人間です。その営業社員にいかにこの物件を決めたいと思ってもらえるか、これが入居率維持のポイントになってくると思います。

だからと言って、仲介会社の営業社員にゴマすればいいか、手数料を多くすればいいか、家賃交渉など何でも言うことを聞けばいいか、このあたりのさじ加減が難しいのが現実です。

管理会社選びのポイントとしては、いかに仲介会社の営業社員と人間関係ができていて、この管理会社の物件であれば決めたいと思ってもらえるかです。管理会社と話す機会があるときにはその管理会社が日々どのようにして仲介会社とコンタクトをとっているのか、仲介会社とはどのような関係なのかを聞くと少しは見えてくるかもしれませんね。

家賃の維持

資産価値の維持!!

賃貸物件(収益物件)の資産価値はどのように計算するでしょうか?

土地や建物の固定資産税評価?

違います。その物件から毎月(毎年)いくらのお金が生まれているか、そしていくらお金が出ていっているかです。

金融機関は、評価する能力がないため土地の固定資産税評価や路線価、建物の固定資産税評価等で評価する比重が大きいのですが、本来収益物件とはどのくらいの収益が上がるのかで評価が決まります。

極端に言うと、土地や建物の固定資産税評価は低いが収益(家賃等)がたくさん入ってくる物件のほうが固定資産税等の支払額が少ないため収益物件としてはいい物件といえます。

ただ残念なことに金融機関はいまだに担保価値を土地や建物でしか評価できないため借り入れをする場合には、その評価も考えないといけないのですが本来はその物件がいくらのお金を生むかが本来の物件価値だということを覚えておきましょう。

そのためには、空室が嫌だからと言ってむやみに家賃を下げるのもどうかと思います。特に仲介中心の管理会社に管理委託している場合、契約しないと仲介手数料が入らないため家賃値下げの交渉が頻繁に行われると聞いています。

入居率を気にするあまり、家賃を下げすぎるのも資産価値を低下させてしまうことになりますので注意が必要です。

(ひと言アドバイス)

家賃値下げを求められた場合、フリーレント(例えば1か月家賃免除)などを提案するのもいいと思います。

例えば、60,000円の家賃を3,000円値引きしてと欲しいと言われた場合、2年で72,000円の値引きになります。

値下げをするのではなく1か月半(45日)家賃をタダにしてあげると90,000円値引きしたことになります。

これをみると、フリーレントは損な気がしますが、2年半以上入居してもらえた場合には値引きするより収益があがり、なにより資産価値を計算する時には60,000円とれている物件として評価されます。

ただ単に家賃を下げるのでなく、フリーレントや設備や備品(家具付きなど)を追加して家賃を維持することで物件価値を維持することが出来ます。

一度考えてみてください。

2.入居中のトラブル

入居中のトラブルで多いのは家賃滞納と入居中の修繕工事です。

せっかく入居者がいても、滞納で家賃が入ってこない、修繕でどんどんお金が出ていってしまうようでは何のために貸しているのか意味が分からなくなってしまいます。

家賃滞納

近年は、家賃保証会社が充実してほとんどの管理会社が使っていると思います。家賃保証会社は、契約者の保証人代わりになり滞納があった場合保証してくれるパターンや、入居者は毎月家賃保証会社に家賃を支払い、家賃保証会社が入居者から回収できてもできなくても、管理会社に家賃を支払ってくるパターンと2通りあります。

この家賃保証会社の充実により、家賃滞納問題というのは過去に比べかなり減ってきたと思います。

問題は、入居希望者が家賃保証会社の審査に通らない場合です。いわゆるブラックなどで保証を断られるケースです。

管理会社によっては、複数の家賃保証会社と契約がありひとつの保証会社がダメでもほかの家賃保証会社に審査申込をして通る場合もあります。

それでも通らない入居希望者をどうするか?

日頃から入居率が高くこの入居希望者を断ってもまたすぐに新しい入居希望者が見つかる物件でしたら断わるのもいいと思います。

ただ、家賃保証会社の審査に通らないからと言って全員が悪い人(家賃を支払わない人)と決めつけるのはどうでしょうか?

本来は、そのような方でも管理会社があらゆる角度から審査して、回収できると判断した時には入居させてもいいのではないでしょうか。

その代わり万が一滞納が発生した場合には、管理会社が滞納家賃の回収に動かなければなりません。しかし、それが本来管理会社の仕事のような気がします。

最近の管理会社は、家賃保証会社に慣れてしまい家賃滞納の回収業務をしたことがないというような社員もいると聞きます。それゆえ、家賃保証会社の審査が通らなければ当たり前のように入居を断る。

これでは、本当に大家様側に立って管理をしているとは言えない気がします。

これも大家様の考えにもよりますが、滞納が怖ければ空室にしておくのが一番です。

しかし、それでは賃貸経営自体が成り立ちません。とにかく入居率が一番。そのことを理解していろいろな角度から提案をしてくれる管理会社(パートナー)が必要だと思います。

入居中の修繕

エアコンが壊れた・トイレが詰まった・お湯が出ない・ドアのしまりが悪い・変なにおいがする・ギシギシ音がする・蛇口から水漏れがする、などなど入居中には様々なクレーム(修繕)が発生します。

このようなクレームに関しては、下記の2点が重要です。

1.迅速な対応

2.入居者負担か大家様負担かの見極め

ひとつ目の迅速な対応は管理会社として当然のことですが、これができないと大きなクレームや違うクレームに発展して最悪は退去という事態になってしまうかもしれません。

また、ふたつ目の入居者負担か大家様負担かの見極めですが、これも管理会社の担当者によってまちまちで、どうしても入居者の言いなりになってしまう管理会社の担当者も多いようです。

状況を確認して、入居者負担のものははっきりと入居者負担だと、言えるようなしっかりとした知識をもった、担当者でないと本来負担しなくてもいい費用を、大家様が負担することになってしまいます。

管理会社は、入居者の味方でもなく、入居者と大家様との中立な立場でもありません。管理会社は大家様の味方でなければいけないと思います。いかに大家様の負担を少なく入居を維持するか、それが管理会社の手腕だと思います。

3.退去時のトラブル

国土交通省から 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が出されてから20年近くが経ち、退去時のリフォーム費用を全額退去者に求めるのは難しいというのが世の中に浸透してきました。

また令和2年の民法改正により今まで以上に明確化されてきます。

法律だから仕方がない、この時代だから仕方がない、という言い分だけで大家様に原状回復費用を負担してもらっている管理会社も多くあります。大家様を守るというより、退去者ともめるのが面倒なため、大家様に納得してもらい費用負担してもらうための言い分を一生懸命勉強している管理会社もあると聞きます。

何度も言いますが、管理会社の役割は事業者としての大家様の収益をいかに守るかが仕事です。

そのために、法律や退去者の権利をしっかりと理解した上で、契約書の見直し・退去立ち合いの研究・いろいろな事例の研究など大家様の収益を守るための努力が管理会社には必要だと思います。

まとめ

賃貸経営に大切な3つのポイント

1.入居の確保
2.入居中のトラブル
3.退去時のトラブル

大家様の収益を最大限守ることを考え、上記3点をしっかり理解している管理会社を選ぶことです。

管理会社の種類には、

1.建築会社または建築会社のグループ会社が運営する管理会社
2.賃貸仲介会社(ミニミニ・アパマン・エイブル・ニッショーなど)が運営する管理会社
3.賃貸管理専門会社

がありますが、会社の規模や管理料の安い高いだけでなく、それぞれの特徴を把握して大家様の賃貸事業の考え方に合った管理会社を選んでください。

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